「笑顔の人」は自他共に愉快になる。

 ガンジーが生涯を終えた歴史の地であるガンジー記念館を訪問した折、パンディーご夫妻と懇談した。
 お会いした部屋には、ガンジーが微笑んでいる大きな写真が飾られていた。
 前歯の欠けたガンジーの表情は、どこかひょうきんで楽しそうであった。

 ガンジー記念館の方が語っておられた。
 「外国に紹介されたガンジーの写真は、どういうわけか、難しい顔をしたものが多いようです。しかし、実はガンジーは、よく笑う人でした」
 「ガンジーは常々こう語っていました。『もし、私にユーモアがなければ、これほど長く苦しい戦いには耐えられなかったでしょう』と」

 笑顔の人は強い。
 正義の人は明るい。
 悪口も圧迫も、たくましい笑顔でおおらかに笑いとばしていける。
 反対に人の悪口ばかり言って、自分は何も価値ある行動をしないような人は、かわいそうな人である。
  あわれな人間である。
 自分がみじめになる。
 そして、こうした人々には、晴れやかな美しい「笑顔」がない。
 本当の愉快な人生を決して味わえない。

 皆さんは、これからの長い人生、苦しい時もあるにちがいない。
 心黒き人の言動にいやな思いをすることもあろう。
 しかし大変な時こそ、反対に、明るい笑顔で周囲の人を元気づけながら、まっすぐに「前へ」また「前へ」と進んでいっていただきたい。
 「道」をそれたり、後退してはならない。


『創価のルネサンス 19』