我らは 
 栄光 燦たる 
  広宣流布のために!

山本 伸一


吹き飛ぶ雪は
嵐のごとく
その暗い彼方には
限りなく醜い悪魔がいた。
 
明けても暮れても
混沌の闇のごとく
私たちの前途は
苦しかった。
まるで
己に重い鎖を
つながれたようだ。

素直な私の心は
ひどく苦しんだ。
悔しくて
涙が流れ始めた。

しかし
あの 私が
断じて誓った
人生の大目的の炎は
燃え続けていた。

私は
絶望の底より
神々しき精神で
立ち上がった。
胸には
新しき希望が
湧き出でてきた。

私の果敢な戦いは
再び始まった。
自己自身と正義──
この二つの結合こそ
固い基礎の信念だ。

現実の険しき山々が
前途に連なっていても
使命と
勇敢なる生命の
君たちは臆さない。

勇んで
現世の狭い暗い社会から
喜びをもって
あの希望に輝く
未来に向かって
進軍する。

それが
新鮮なる生命の
要求であり
静かな深い喜悦を
全身に味わった
青春の行路だ。

イギリスの作家
アン・ブロンテは謳った。
「私の精神は怯まない」
「前へ進め──
そして打ち克て」

いかなる
険難の道にも
いかなる
複雑な社会にあっても
私の胸には
喜びが一杯ある。

その喜びは
正義の信念からの
喜びである。
正しく幸福な人生だけが
汝自身の価値と使命を
感じ取ることができる。

わが君と
この輝く曠野の大道を
歩みゆくことは
何と楽しいことか!

いな 苦しき時も
静かに
あの夕暮れを見つめつつ
長く悠然と
決意の沈黙を続けながら
正義の英雄の誇りを持つ
二つの心臓は高鳴る。

私は
立派で偉大な
正しい行いや戦いには
必ず参加したい。

声高らかに
君は叫んだ。
「いいとも!
私も必ず行く。
これは
真剣勝負だ」

わが友と二人は
悲壮な敗北の心などは
まったくない。

十全たる勝利と
平和と幸福のために
我らを見つめる天空を
前にして再び
偉大なる者を鼓舞する
人間として
立ち上がるのだ!

古代ローマの哲人指導者
ボエティウスは喝破した。
「善行には
必ず善い報い(賞)が、
悪行には
必ず悪い報い(罰)が
ついて廻る」

あの仮面をかぶった
非常識な連中の
裏切りは
永遠に恥辱だ。
人間にとって
最も下劣なことは,
恩知らずである。

彼らの肖像は
実像と違っている。
その額には
嘘八百の姿が
ありありと見える。
誰の目にも
動揺を隠しきれない。
真実は隠しようもない。

最終の結末を知らぬ
彼らの虚飾の王冠は
やがて
色褪せ落ちる。

アメリカの文豪
ヘミングウェーは
雄々しく語った。
「枯れた枝を
切り払ってこそ
木は丈夫に育つというものだ。
腐敗したものは
駆除されるべきがゆえに
表面化されなければならない」

彼方には
猛烈な暴風があろうとも
怒濤逆巻く
嵐があろうとも
そして更に
悪人たちの群れがあろうとも
やがて来る
大勝利の朝日を
我らは浴びる。

いかなる陰湿な
策略があろうとも
断固として
我らは元気よく
立ち上がるのだ!

広い広い大地を
歌を歌いながら
勝利へ勝利へと
歩みゆくのだ!

イギリスの文人
ハズリットは叫んだ。
「人生は
情熱によってでなければ
勝負できないこと
ばかり」と。

負けるな!
いな
負けるものか!
これが
友と二人の
一生涯の合言葉である。
これが
我ら同志の
永遠の絆である。

我らの尊き一生は
我らの後悔なき一生は
我らの大満足の一生は
栄光 燦たる
広宣流布のために!


二〇〇五年八月二十九日
世界桂冠詩人 

  

アン・ブロンテの言葉は森松健介訳『ブロンテ全集10』みすず書房。
ボエティウスの言葉は渡辺義雄訳『世界古典文学全集第26巻』筑摩書。
ヘミングウェーの言葉は大久保康雄訳『ヘミングウェイ全集6』三笠書房。
ハズリットの言葉は中川誠訳『ハズリット箴言集 ―― 人さまざま』彩流社。