「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」(御書1292?)と結論されています。
 「法華経に勝る兵法なし」であります。ただ一遍の題目にも、いかに大きな力用(りきゆう)が含まれていることか。いかなる広布の戦いも、「信心」こそが絶対勝利のための無敵の「兵法」である。まず、こう決めることです。
 この法華経の兵法で挑むならば、「諸余怨敵・皆悉摧滅」――もろもろの怨敵を、悉く摧(くだ)き、滅した――との仏の金言が現実のものとなることは間違いないと断言なされています。
 この経文は、法華経薬王品第23の文です。あらゆる「怨敵」――一切の障魔を破ることができるという法華経の功力(くりき)が示されている。
 怨敵とは、個人の生活・生命に即して言えば、病魔・死魔など、自分を不幸にする働きです。社会で言えば、妙法を持つ人を妬み、迫害する三類の強敵にほかなりません。
 そうした悪因を、ことごとく摧き滅していく。そして生命の根底から悠々たる幸福・勝利の境涯を開いていけるのが、「法華経の兵法」すなわち信心であります。


2009.3.19
御書と師弟 第9回
法華経の兵法①