「せっかくの機会ですので、信心の要諦について、話をさせていただきます。
 信心したからといっても、人生に平坦な道などありません。むしろ、苦楽の起伏があり、波浪も逆巻くのが、人間社会の実相です。苦しいこと、辛いこと、悲しいことがあって当然です。
 その時こそ、ただひたすら、題目を唱え抜いていくんです。そうすれば、仏法の法理に照らして、必ずや打開できることは間違いない。それを生涯にわたって繰り返し、広宣流布のために戦い続けていくなかに、人間革命があり、絶対的幸福境涯を築き上げていくことができる。それが信仰の道です。
 だから、何があっても、信心から離れるようなことがあってはならない。
 また、広宣流布を進めるうえで重要なのは団結です。ともすれば人間は、慣れてくるとわがままになり、自分のエゴが出てくる。そして、派閥をつくったり、組織を自分のために利用しようとするようになる。
 それが、大聖人が仰せの『外道・悪人は如来の正法を破りがたし仏弟子等・必ず仏法を破るべし』(御書九五七ページ)の姿なんです。
 わがままな自分と戦い、広宣流布のために心を合わせ、団結していこうという一念のなかに、信心の血脈がある。仲良くしていくことが、信心の鉄則です。
 今日は、この点を確認しておきます」


『新・人間革命』潮流の章