私は人生にはすがすがしい笑いがなくてはならないと思っている。さわやかな笑いは、まさしく“家庭の太陽”である。また人の喜びを心から喜んであげられるゆとりがほしい。そうした生き方のなかに一日一日すがすがしい何ものかが残っていくものである。人間のウラばかりを見ていこうとする生き方は、しょせん、ぎすぎすした暗い陰鬱な世界を広げるばかりであり、自身の敗北につながっていくだろう。


『人生抄』