若き君よ、理想の華を散らせてはならぬ。生あるかぎり「もう、これまでだ」などと言うな。少しくらいの苦労で「人間とは、世間とは、こんなものだ」などと言うな。
 君が純粋であればあるだけ、誤解と攻撃が、山とのしかかることもある。心に合わない仕事をしなければならないこともある。
 しかし、意のままにならないからこそ、修行なのだ。そこで奮闘してこそ、「苦を転じて楽となし、敗北を転じて勝利となす」痛快さも味わえるのだ。
 安穏は魂を殺し、順調は魂を殺し、自己満足は魂を殺す。
 心から血を流したことのない人間が、どれほど、つまらないか。どん底を見たことのない人生が、どれほど味気ないか。
 つまずき、立ち上がるたびに、本当の人生を学べるのだ。耐えて生きている人の心もわかるのだ。
 踏んだり、蹴られたりしなければ、精神がふやけてしまう。
 強い人間は、不幸さえも楽しんでいけるのだ。


池田名誉会長の写真紀行 光は詩う
第23回 桜樹燦爛(抜粋)

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