山本伸一の厳とした声が響いた。
 「私は、戸田先生が『水滸会』の会合の折、こう言われたことが忘れられない。
 『中核の青年がいれば、いな、一人の本物の弟子がいれば、広宣流布は断じてできる』
 その『一人』とは誰であったか。誰が戸田先生の教えのごとく、命がけで世界にこの仏法を弘めてきたか――私は“その一人こそ、自分であった”との誇りと自負をもっています。
 どうか、青年部の諸君は、峻厳なる『創価の三代の師弟の魂』を、断じて受け継いでいってもらいたい。その人こそ、『最終の勝利者』です。また、それこそが、創価学会が二十一世紀を勝ち抜いていく『根本の道』であり、広宣流布の大誓願を果たす道であり、世界平和創造の大道なんです。
 頼んだよ! 男子部、女子部、学生部! そして、世界中の青年の皆さん!」
 「はい!」という、若々しい声が講堂にこだました。
 会場の後方には、初代会長・牧口常三郎と第二代会長・戸田城聖の肖像画が掲げられていた。二人が、微笑み、頷き、慈眼の光で包みながら、青年たちを、そして、同志を見守ってくれているように、伸一には思えた。
 彼は、胸の中で、青年たちに語りかけた。
 “さあ、共に出発しよう! 命ある限り戦おう! 第二の「七つの鐘」を高らかに打ち鳴らしながら、威風堂々と進むのだ”
 彼の眼に、「第三の千年」の旭日を浴びて、澎湃と、世界の大空へ飛翔しゆく、創価の凜々しき若鷲たちの勇姿が広がった。
 それは、広宣流布の大誓願に生き抜く、地涌の菩薩の大陣列であった。
  (小説『新・人間革命』全三十巻完結)
    二〇一八年(平成三十年)八月六日
          長野研修道場にて脱稿
  
 創価の先師・牧口常三郎先生、
 恩師・戸田城聖先生、
 そして、尊き仏使にして「宝友」たる
 全世界のわが同志に捧ぐ    池田大作


新・人間革命 30巻 誓願139
2018年9月8日(土)

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最後の『新・人間革命』の配達を終えました。

声を出して拝読しました。

その日の『新・人間革命』を読んで先生と呼吸を合わせる、当たり前だったことができるのは今日が最後です。

先生が残してくださった大偉業を伝えていくのは弟子の使命。

最後の最後まで、師匠である戸田先生のご指導を伝えてくださる先生。
奇しくも先生が引いてくださった戸田先生のお言葉は、「一人の本物の弟子がいれば、広宣流布は断じてできる」との、当ブログタイトルに通じるものでした。

今後も師匠の言葉を同志に、友人に、家族に、後世の人に伝え続ける弟子として生き続けます。


広宣流布は俺がやる!!!!